学び続ける教員像

教師の働く状況は、2000年代からベテラン層の大量退職によって、若手教員の増加とともに初任期におけるメンタルヘルスの悪化と離職の増加の問題が生じました。それ以降、教師の成長に影響を及ぼすさまざまな教師教育政策が打ち出されます。しかし結果としては長時間労働と教師不足が顕在化しています。そうした中、2015年「チームとしての学校」 の構想が打ち出されました。チーム学校は学校の新たな性格を示すとともに,教師の働き方や仕事の転換を示唆しています。(注8)
*これからの学校における教員の「役割」について 芹澤2021
 
これからの教師像について、2012年の中央教育審議会答申で教員を高度専門職と位置づけ「学び続ける教員像」の理念の確立と実現を示しています。その文書の複数箇所で省察という言葉が使われています。つまり教師の専門性として学ぶことが強調されています。学び続ける教員像は、新しい教師モデルとして教師の専門性の実践の中核に反省的実践家を位置付けました。**
**前掲 芹澤2021
 
反省的実践家について浅田氏はこう述べています。***
「それは熟練教師が有する知識や能力を教師の専門性の基準とするということではなく、教師自身が自らの授業実践から学び、新しい知識や能力を獲得していくこと、その結果として熟練教師が有するような知識や能力を獲得するということである。」
これつまり、リフレクションです。教師の自己研鑽や職能発達プログラムにおいてリフレクションが中核として位置づけれらえるようになります。
***教師の学習と成長 浅田他 2021 ミネルヴァ書房
 
ここで追加しておきたいのは、教師の質をめぐる世界の動向についてです。個々人の教師の教育実践の質から学校教育の質に移っていると今泉氏は指摘し、新し教師の質の捉え方を三つのレベルに分けた上で、二つの質向上モデルを示しています。一つは従来の教師個人モデル、もうひとつは学校教育改善モデル。これは教師が役割行動を通じて授業や学校教育上の諸問題を同僚と協働して解決していくことによって、教師の認識や価値観、行動を変化させる結果として生じる教師の質の向上のモデルです。
さらに、共通課題を解決するために協働するチームではなく、多様な自律した学びが繰り広げられている開かれた公共空間として佐藤学氏が提唱する学びの共同体があります。(注9)
 
 

リフレクションのあらまし

リフレクションとは、日本語で省察、振り返り、反省、内省の意味です。
教師教育においてリフレクションが注目されるようになったのは、アメリカの哲学者であるドナルド・ショーンが技術的熟達者から反省的実践家に専門家モデルを転換したことがきっかけとされます。反省的実践家モデルとは、実践を行う当事者自らが、現実から問題状況を設定し、そうした状況と関わる中で新たな知を生み出し解決していくという考え方です。
この反省的実践家が知を生み出すための鍵概念として、ショーンはリフレクションを提案します。反省的実践家は教師や看護師を中心に広く支持され、現場の実践者が有する知や学びに関心が向けれるようになります。ショーンが反省的実践家を提唱してから30年以上が経過しましたが、教師教育においてリフレクションは現在も支持され続けているそうです。
ただ実際には、一口にリフレクションといえるほど簡単じゃないようです。
たとえば、教師を対象にした調査によれば、経験年数の多い教師群になるにつれて、児童の視線や表情に注目していた一方で、教職経験の少ない教師群は児童の姿勢に注目する傾向が見られました。別の研究では、初任者教師は問題状況を点で捉えて授業を改善しているのに対し、ベテラン教師は線で捉えて授業の改善点を考えていました。二つに共通する初任者教師とベテラン教師との違いは、授業認知の情報源です。さらに状況の読み取りも異なっていました。ほんの一時点の認知を手がかりにリフレクションすることで、本質的な問題構造を十分に捉えきれないまま自身の行為や見方を変えてしまう、こうした認知の違いがついてまわります。(注10)
 
 

玉ねぎの皮

コルトハーヘンらはコア・リフレクションを提唱しリフレクションそのものの段階性及び順序性を指摘しました。リフレクションの階層を6 つに分けた玉葱モデルでは、玉ねぎの外側の皮から中心までのように、環境、行動、能力という外的要因から考え方、自己認識、存在使命という内的要因までに分けて、双方の要因との往還を通して、伸長していくことを示しました。彼らはこの内的要因としての省察を コア・リフレクションと呼んでいます。玉葱モデルにおける内的要因の階層の最も中核となす部分を「その人自身の核となる資質」コア・クオリティと言い、コア・リフレクションは、人の長所や強みとするその人自身を形成する核という所までについて振り返ることと定義しています。****
****教員養成段階における教師教育の展望 茂野2017
 
 

独善に陥ることなく

ここまで深くなってくると、やはり運用面でリフレクションに対する解釈に混乱があることが指摘されます。たとえば、ショーンの主張を過去の振り返りに還元し、授業でうまくいった点や改善を要する点を教師に回顧させる活動をリフレクションとして単純化することが挙げられます。これは過去の実践を吟味して最適な授業方法を考えるというリフレクションの見方です。(ここでは触れてませんが、ショーンはリフレクションを3つに分けて、行為の中の知、行為の中の省察、行為についての省察と定義しています。(注11))
また、教師が自らの実践のリフレクションを独善に陥ることなく行うとともに、他者からの視点や他者のリフレクションとの比較から客観的に行えるようになっていく必要が指摘されます。*****
さらに、このプロセスを一人の教師が辿ることができるためには少なくとも板書の仕方、発問指示の仕方、あるいは授業場面においてどのような状況を認知するのかという授業に関する知識、指導に関するスキルに習熟していることが求められます。*****
*****教師の学習と成長 浅田他 2021 ミネルヴァ書房
 

深く柔らかな部分と偏り

ここまでザックリと、コンピテンシーとリフレクションを見てきました。二つに共通しているのは、特性、動因、自己認識、考え方、使命といった言葉が指すような人間の深く柔らかな部分を含む全体的な能力を絶えず評価している点です。もう一つは、そうした特徴ゆえの結果として独善に陥りやすい。なおかつ、広く多くに当てはまるというよりも特定の要求に応えるという偏りを内包している点だと思います。
もっと言えば、人格的要素を取り込んだ今、その境界線は明確ではなくなっています。つまり、資質・能力の何を目標としどこまでを評価対象とするのか。****** そうした事態によって個人の根幹と専門職性を同一視するほどに問題はセンシティブで著しく人を消耗させる。だからこそ、他者との関係性に着目する意味が実践的にあります。このことの裏付けとしてケアリングに触れたいと思います。
******前掲松下2016
 
ケアリングは個人的な性質や特性に依拠するのではなく、人と人との関係において生起することを重視します。(注12)
教育哲学者のネル・ノディングズは教えることの中核にはケアリングがあると言っています。*******また看護分野でも看護の本質はケアリングと言います。ケアリング概念は、複数領域で用いられ、教育学、生命倫理学、発達心理学においても用いられて定義は様々です。********
次に看護師とケアリングを軽く掘りたいと思います。
*******ポスト・モダン時代における“相互作用的専門職” としての教職教師の専門職性におけるケアリングと情動的次元の探究 木村2011
********ケアリングの概説 筒井2018
 
 
 
注8 チーム学校は,学校の新たな 性格を示すとともに,教員の働き方や仕事の転換を示唆している。「チーム学校」を実現するための視点と改善方策として,「⑴専門性に基づくチー ム体制の構築」,「⑵学校マネジメント機能の強化」,「⑶ 教職員一人一人が力を発揮できる環境の整備」を掲げている。これまでの教員の「役割」は,「あるべき教員」の姿からつくられてきたところある。社会の変容と学校の改革の中で,その役割も問い直していかなければならないと指摘している。これからの学校における教員の「役割」について ─学校内外の協働関係構築における課題に注目して─芹澤ほか2022
 
注9  こうした教師教育の捉え方の相違は、教師の専門性として何を求めるかということにも違いをもたらす。教師個人モデルでは一定水準以上の知識、技術体系が基本となるのに対し、学校教育改善モデルでは知識技術体系というよりも、教育実践を通じて子どもだけでなく他のさまざまな人々と交流し合う中で新たな知識技術を生み出し、獲得する方法を常に高めていくことが専門性の中核となってくると指摘する。
佐藤学が提唱する学びの共同体は、チームが共通の課題の解決を目的としたプロジェクト型のチームが編成され協働を行うのに対して、学びの共同体はあくまでも共同体であってチームではない。そこは多様な自律した学びが繰り広げられている開かれた公共空間。このチームとの決定的な違いを学びという共通の課題をおくことで主体的な協働の場に読み替えたものが学びの共同体論である。
この協働のスタイルを共存モデルと呼び、ディスカッションを通して合意を生み出す同僚性よりも、異なる意見が絶えず平行線において交流され行動において連携しあいながら改革を推進する。
 
注10 中村浅田2017は小学校社会科の授業動画から100枚の写真スライドを抽出し1枚につき3秒で次のスライドに切り替わるフォトムービーを作成し、教師に事前に指導案を確認した上で、スライドを見ながら重要な場面に感じたスライド番号をメモし、スライドのどこに注目したか、なぜ重要だと考えたのかを記入する調査をした。教師は教職経験年数ごとに初任者教師1-4年未満、若手4-9年、経験10年以上に分類した。結果は経験年数の多い教師群になるにつれて、児童の視線や表情に注目していた。一方で教職経験の少ない教師群は児童の姿勢に注目する傾向が見られた。
 
注11 ショーンの主要な三つのリフレクション概念の定義には、行為の中の知、行為の中の省察、行為についての省察がある。まず、行為の中の知とは、日常の習慣的行為の遂行によって表出される知と定義することができる。次に行為の中の省察とは、習慣的行為が予期せぬ結果をもたらして時に自身の行為枠組みに意識的になりながら知を再構成するプロセスと定義されている。そして、行為についての省察とは、行為の中の省察とは対照的に状況を既に過ぎ去ったものとして捉え、新たな行為を試さずに自身の行為や見方を回顧する。ショーンはこれを行為についての省察と呼び、行為の中の知または行為の中の省察で展開されたプロセスについて振り返ることと定義している。
 
注12  ケアリングとは人間関係における在り方であり、他者に対する受容的な応答的な在り方を意味する。ケアリングには個人的な優しさや思いやりは確かに必要だが、その本質は単なる美徳や個人特性ではない観点で捉えることが重要である。つまりケアリングは個人的な性質や特性に依拠するのではんなく、人と人との関係において生起することを重視しているのである。ケアリングと教えること 前川幸子

コンピテンシーのあらまし

コンピテンシーは、はじめに心理学で開発され発展し経営学と教育学に普及した後、経営学から看護学にもたらされた概念です。心理学ではIQ だけでは測れない能力観について読解力や計算力と言った認知能力に加えて、性格変数とされてきた要素をコンピテンシーとして考えるようになりました。それが発展して経営学で人事管理に応用され、コンピテンシー・モデルとして企業において人事管理や評価に使われました。経営学のコンピテンシー・モデルを看護学でほぼそのまま踏襲したアプローチで看護師の管理・成長に活用しています。(注5)
*複数の学術領域におけるコンピテンス概念把握の試み 西・加藤2017
 
 
経営学においてコンピテンシー概念を確立したスペンサーは、コンピテンシーを「ある職務または状況に対し、基準に照らして効果的、あるいは卓越した業績を生む原因として関わっている個人の根源的特性」として定義し、その職種の有能な人をモデル化したコンピテンシーモデルを作成しました。
ただ、スペンサー自身が氷山モデルを用いて述べているように、スキル・知識(氷山の上の見える部分に位置する)は比較的開発しやすいが、特性、動因(氷山の水面下に位置して見えない) は人格の中核的なコンピテンシーであり評価・開発が難しいところがあるとしています。
実際、児童発達支援職を対象にしたコンピテンシー要素の調査では、関心意欲態度は専門性のためのコンピテンシーの土台になるとして、初期キャリア形成期のコンピテンシーモデルは、児童発達支援に携わる土台になる意欲や関心と社会人として基礎的な力が必要と指摘しています。**(注6)
**幼児期の障害児通所支援に携わる支援者の専門性向上のためのコンピテンシーモデルの検討 藤田2019
こうしたコンピテンシー・モデルを実際に運用する際の課題として、網羅的で数が多すぎる、他社の借り物で内容の差別化ができないなどがあげられています。
コンピテンシーの批判の多くは、コンピテンスとパフォーマンスの相違点や、ケイパビリティ(注7)や卓越性といった他の概念とコンピテンスの違いが不明確であり、コンピテンスの認識に混乱が見られ、その評価基準の有効性に関する検討が不十分といいます。
しかし、概念とモデルを区別して定義することが提案され、コンピテンシー・ モデルを用いた人材開発や人事評価の分野では期待は高いようです。***
***前掲 西・加藤2017
たとえば、福祉職養成課程の実習教育では、実習前後を通じて学生の客観的な変化の評価、 教育目標の共通認識、教員・学生・現場指導者それぞれの立場からの教育効果の測定とふりかえりのためのツールとして活用されています。****もともとの定義や意味内容は拡大されて色んなことに広がっています。
****社会福祉教育におけるコンピテンシー評価項目の検討 藤田他 2008
 
 
先の松下氏はコンピテンシー概念の特徴として、行為志向、ホリスティックで統合的、要求に応えるもの、生涯を通じて発達変容するもの、この4点を指摘します。これらの持つ意味を対概念との対比を通して描き出しています。そしてコンピテンシーの持つ偏りに自覚的になる必要を指摘します。
たとえば、要求に応えることの対概念は価値の選択形成です。具体的にはコンピテンシーとケイパビリティを対比します。コンピテンシーが特定の要求に応える能力であるのに対して、ケイパビリティは要求を定めず人が思考し選択する自由を拡大する能力と捉えられます。
以下引用です。
 
「コンピテンシーという概念の意味的な偏りが意識されず、それだけが教育目的として価値があるように見せられることに警戒しなければならない。コンピテンシーのホリスティクな性格は人を見るレンズを増やし多様性を把握するのに寄与するはずだが、一方でそれが個人の評価においては、あたかも工業製品のスペックのような、人の “性能のリスト化につながりかねない。ハイステイクスな評価では態度・価値観の評価を行わないこと、コンピテンシーにおいて一定のレベル(最低閾値)を保証する努力は行われるべきだが、それ以上は「垂直的序列化」よりは「水平的多様化」が重視されるべきであることを、あらためて確認しておきたい」と言ってます。
 
 

変容→成長

コンピテンシーの特徴は、行為志向、統合的、特定の要求に応える、生涯を通じて発達変容するものいうことでしたが、そこから浮かんでくるのは、相手から受け取ったものへの応答というかたちで立ち上がり、個人に特有の性質を含んだ行動を起こす、その行為の核は人の深くて柔らかいところを共振させながらハートもマインドも統合して出力される能力と言えそうです。さっきよりはイメージが膨らむでしょうか?。
そう考えると、パッと見では先天的なつながりが強うそうですが、同時に変容すると言ってて、それがどのようなプロセスか気になります。まさにそれが資質・能力向上の方法ですから。
この点について、実際に教師の職能発達プログラムで採用されている反省的実践家とリフレクションがヒントになりそうです。
前回のコルブ(1984)の経験学習理論はレビンやピアジェやデューイの理論を発展させていましたが、デューイ(1938)はリフレクションの概念を提唱しています。リフレクションは省察や内省と訳されます。コルブの経験学習モデルは、経験のみから学習するのではなく,経験を多様な観点から検討する内省的観察のプロセスを伴うことで学習が生起されると説明します。でも内省的観察の詳細は明らかにしていませんでした。リフレクション(省察、内省)の構造を実践的に分析し反省的実践家を提唱したのがショーン(1983)です。反省的実践家は教師の専門職性に大きな影響を与えました。次にそれを掘り下げてみましょう。
 
 
 
注5  心理学では、ホワイトによる動機づけに関する理論的研究からコンピテンス研究が発展した。その後 IQ だけでは測れない能力観についてのマクレランドの議論から、従来の読解力や計算力と言った認知能力に加えて、性格変数とされてきた要素をコンピテンスとして考えるようになる。経営学では、マクレランドの研究から発展し、人事管理の様々な段階で応用可能なものとしてコンピテンシー・モデルを作成し、企業において人事管理や評価に使われた。看護学においては、看護管理の場面では、経営学のコンピテンシー・モデルをほぼそのまま踏襲した要素主義的アプローチで看護師の管理・成長に活用している。
心理学者ホワイト(R. White)は、1959 年に動機づけを説明する概念としてコンピテンスを提唱した。従来研究されてきた飢えや乾き、性欲といった動因に対して、探索、活動、 操作といった新たな動因には「相互に共通性が多く」あるとして、これら新しい動因を個々に独立して分析するのではなく、相互の関連の中で理解する必要を提起し、 「それらを『コンピテンス』という共通の概念の下に置くことは有用である」と説明した。
 
注6 藤田2019は、児童発達支援センターと児童発達支援事業に勤務する職員を対象として、保育学研究、社会福祉学、看護学等の先行研究から関心・意欲・態度、社会人基礎力、知識、技術、実践と省察の5領域にコンピテンシーを整理し145項目のアンケート紙を作成し無記名アンケート調査を実施。管理職38名、児童発達支援管理責任者42名、支援者500名より回答を得た。
結果は、回答者の8割が仕事の関心や意欲を持って携わっていた。回答者の9割は家族支援や記録、個人情報の重要性を理解しているのに対して、医療や特別支援教育、心理、障害児福祉サービスに関する知識を持っているとの回答者は5割を切っていた。技術に関しては回答者の8割以上が、一人一人の子どもを理解している、最善の利益を遵守した支援、日々の記録を書くことができる、子ども遊びを拡げるための支援ができる等の回答があった。一方、家族支援や心理に関する技術、地域の社会資源の紹介等は5割を切っていた。実践と省察に関しては回答者の9割以上が、日々の子どもとの関わりを通して子どもの理解を深めている、関わりを振り返っている、家族との関わりを大切にしている、ふりかえった内容を実践に活かす努力をしている、困ったとき同僚等に相談していた。その上で藤田は、関心意欲態度は支援者自身の姿であり感性、態度、信念等が包含されており、支援・人的サービスの従事者のコンピテンシーモデルの特徴は、個人的効果性のコンピテンシーが多くを占め、従事者は自分の感性、 態度、信念等と仕事が一体化していることを踏まえて(Lyleら2003)、関心意欲態度は専門性のためのコンピテンシーの土台となるして、初期キャリア形成期のコンピテンシーモデルは、児童発達支援に携わる土台になる、意欲や関心と社会人として基礎的な力を土が必要と指摘する。

はじめに

GW後半戦。何の予定もないので近所をぶらぶら散歩していると、心地いい風にうす黄緑の葉を揺らす若葉と柔かく甘いテイカカズラの匂いがしました。街のなかの小さな緑に癒されてます。そういうのは少し前はなかったことです。突如として現れた感傷?に僕自身もビックリです。と同時にこの変化をどう捉えるか微妙な気持ちになります。
 
 
今回は当然過ぎて普段は疑問を感じることなく使っている福祉職の専門性が、実際に言葉にしようとすると結構曖昧ということに気づいたのでその話を。(今面倒臭そうと思ったあなた、正解です)
コロナ禍で失業や休業者数が増加した際に雇用の流入先となったのは福祉産業でした。そうした新規参入者の受け入れ体制作りは福祉産業にとって重要です。実際、政府の人材政策方針は、富士山になぞらえて多様な人材の参入を促進し裾野を広くしつつ専門性を明確にして高く設定すること、その中で機能分化していくことを掲げています。そう考えると、働き手が現在地が分かるように専門性がハッキリしてて体系化されていることでコミットメントを得やすくなると思います。(注0)
 
前回の話で、福祉職の仕事には対人援助職の2つの特徴がありました。サービスの生産と消費の同時性と相互作用性です。そこでの専門職性は、相手との応答的な関係のなかから現出する能力として専門職性を捉えようとします。そうすると福祉職の専門性は、個別作用ごとに考えられることになり、抽象にも具体的にも全てに通じる定義がしづらい。実際個人的に感じるのは、その重要性に反して意義や基準の議論が深まらない感があります。ようは、誰に・何を・どれだけすることが専門性かを規定するものを見出し難い。(注1)
というわけで、これまでの様々な知見から福祉職を含めた対人援助職の専門職性の特徴and成長に必要な条件をディグってみたいと思います。
はじめに、福祉職の専門性をめぐる論点として、コンピテンシーモデルを取り上げます。コンピテンシーは特性、能力、技能など様々に訳されます。新規参入者の流入増や富士山型の新しい人材確保方針を背景に、教育効果の測定や専門化の指標とするコンピテンシーが有効かつ重要であると言われています。* 熟達者の人材像をもとにコンピテンシーモデルを描き出すと同時に、段階的なモデルとキャリアパスの道筋を提示します。人材育成のフレームワークとして経験年数を重ねながら専門性向上を図ろうとゆうわけです。つまり、福祉職の成長はコンピテシーモデルとの関係によって描かれます。
ここからは理屈めいた話が多くなるので、できるだけサクッといきたいと思います。とわいうものの、コンピテンシーの話の前に専門職や資質・能力について用語と行政や職能団体のガイドラインをチェックしておきます。
*幼児期の障害児通所支援に携わる支援者の専門性向上のためのコンピテンシー 藤田2019
 
 

専門職そもそも

医者や弁護士などの専門職の古典的モデルを最初に明確にしたのは カー・サンダースらといわれます。彼らは専門職の特徴として次の4点を挙げました。1、長期の訓練により獲得された専門的知識技術,2、特別の責任感情とこれを表現する倫理綱領,3,専門的知識技術と倫理綱領とを維持・統制するための団体結社,4,利潤追求型ではない固定報酬制度であること。
こうした古典的専門職モデルの特徴を完全には具備していないことから準専門職とか中位専門職などとされてきたのが、教師や看護師や福祉職です。
1980年代になると新しい専門職論が提起され、その一つがハーグリーブスらが提唱した実践的専門職性です。実践的専門職性は教師が日常で使っている実践的な知識や判断力を尊厳と地位に結び付けようとする概念です。これまで教師の資格要件とみなされてきた専門的技術や自分のやり方など,経験に依存する実践的な知識を,教師理論の有効で中心的な位置に据えようとする考え方でした。後述するショーンが提唱した省察的実践家モデルはその一例です。**
**カリキュラムに関わる教職の専門性・専門職性の研究 櫻井ほか2012
 
ここまでなんとなく専門性や専門職性や専門職化という言葉を使ってきましたが、そうした言葉について一度整理したほうがいい気がするので、簡単に触れたいと思います。専門職性(プロフェッショナリズム)とは、専門職の従事者たる専門的職業人(プロフェッショナル )に特徴的に見い出される、固有の職業的活動の取り組み方やその遂行に関する共有の志向を意味するものとされます。***
そう考えると、専門職化とは、ある職業が専門職の構成要件を獲得していく変化のプロセスになります。なので専門職性を構成する要素を明らかにしておくことが重要になります。専門職の構成要素について、最初にフレクスナー(注2)が定義し、それらを名越氏は6つにまとめています。
***看護職の専門職性を構成する概念 葛西・大坪2005
 
①範囲が明確で、社会的に必要不可欠な仕事に独占的に従事する。
②理論的に裏づけられた高度な知識や技術を必要とし、その習得のために長期の専門的教育 (訓練)が必要となる。
③施業者は、個人としても集団としても、広範な自律性が与えられるが、その自律性の範囲内で行った判断や行為については直接に責任を負う。
④サーヴィスの提供は、営利よりも、公共の利益を第一義的に重視して行う。
⑤職能水準を維持し向上させるために、包括的自治組織を結成し、適用の仕方が具体化されている倫理綱領をもっている。
⑥その職業に従事するためには、国家、またはそれに代わる機関による厳密な資格試験をパスすることが要求される。
 
 

資質・能力とは

もともと、資質の辞書的定義は生まれつきの性質や才能です。なので専門教育という後天的な目標に使うのにはズレがあります。教育学者の松下氏は能力の入れ子構造を枠組みとすることで資質・能力の意味と範囲を明らかにしています。****
****資質・能力の新たな枠組みー3・3・1モデルの提案 松下2016
 
以下引用です。
 
「生得的な性質才能に限るのではなく、後天的にも獲得されるものと資質をみなすことで、学びの目的目標として位置付け得る。ただそうだとすると、後天的要因と生得的要因の複合の結果形成されるものという点で能力と変わるところがない。」
中略
「能力」はまず、「知識(内容)」と対で使われる。例えば知識より汎用的な能力の方が重要とされるような場合。また「資質・能力」のように、「資質」と対で使用されることもある(=「能力2」)。さらに、資質も含みこんで用いらることもある(=「能力 3」)。
中略
今日求められる知(knowing)とは、単に何かを知っているだけでなく、必要なときにそれを使って何かを行えるような知である。それは能力(doing)と結びついて生きて働く知識になっていることを意味する。資質(being)とは、何かを知り、何かができるというだけでなく、それに価値をおき、それを好み、いつでも行おうとする状態になっていることを意味する。つまり資質には価値、選好、態度などが含まれるのである。と言ってます。
 
 

Being重視

実際の仕事でどのような資質・能力が挙げられているのかを事例を通して見ていきます。児童発達支援、放課後デイサービス、障害者相談支援、ケアマネージャー、新人看護職員、新人理学療法士、6職種の政府や職能団体が作成したガイドラインで示された資質・能力をまとめました。(注3)
そのなかで共通する項目は、姿勢・態度、知識、技術でした。もちろん職種によって個別具体的に〇〇力のような能力を挙げているものあります。そこで全ての項目を松下氏の能力リストに倣って個人属性と他者との関係性に大きく二つに分けて整理しました。(注4)
まず、他者との関係性に関連した能力は、ネットワーク形成など協働によって他者と育む能力を挙げる障害者相談支援。同様に地域アプローチなど協働する能力を挙げるケアマネジャー。また、社会人マナーや組織における役割・心構えの理解と行動、理念・基本方針の理解、一般的業務管理などの組織適応の能力を挙げるのは理学療法士と看護職でした。
次に個人属性は、姿勢・態度、知識、技術の3つと個別具体的な能力になります。個別具体的な能力は、信頼関係を形成する力やニーズを探す能力を障害者相談支援、患者家族への対応は理学療法士、患者の理解と家族との良好な人間関係は看護師が挙げています。また、学びについて省察的思考力をケアマネージャー、自己研鑽と能力開発は理学療法士、主体的な自己学習は看護師が挙げています。
個人属性の姿勢や態度について、プロ意識と倫理はケアマネージャー。専門職としての基本的姿勢と態度と責任ある行動は理学療法士。基本姿勢と態度と自覚と責任ある行動は看護職。期待される役割と表現するのは児童発達と放課後デイ。知識については、発達段階ごとの特性、制度、権利、関係機関の役割、児童虐待への対応を挙げる児童発達と放課後デイ。幅広い知識と技術は障害者相談支援。介護保険制度についてはケアマネジャー。
最後に技術について、家族支援と障害種別・特性に関わる技術は児童発達と放課後デイ。基本的なコミュニケーションと面接は障害者相談支援。コミュニケーションはケアマネジャー。理学療法専門技術やプロセス管理は理学療法士、環境調整、食事援助、排泄援助など具体的な看護実践は看護師。
 
共通点として、個人属性の比重が高くなかでも姿勢・態度、知識、技術が多くを占めます。先の能力の入れ子構造にあてはめると、姿勢・態度はbeingであり、知識knowingと技術doingが結びついて働く知識になっていても、いつでも行おうとする状態として資質beingが必要です。つまりこれらの職種がコンピテンシーとして、それに価値をおき、好むことを指すbeingを重要視していると考えることができます。
にもかかわらず、ガイドラインからはbeingについて納得できる具体的な情報はあまり得られませんでした。専門職性で重要視されるbeingが専門職性の特徴にどんな影響を与えているのかはカギになりそうです。と同時に、個人属性に向かわない協働と組織適応力や省察的思考力が、個人属性と他者との関係にどのように影響しているのかという点も気になります。はじめにBeingの点について、資質・能力と同義とされるコンピテンシーを通してもう少し掘り下げたいと思います。
 
 
 
注0 組織行動論の領域においても個人の長期的な時間展望が,キャリアデザインや組織への定着,組織コミットメントに影響を及ぼしていることが示されている(金井,2002;尾形,2008;尾形・金井,2013)(若年就業者の組織適応を促進するプロアクティブ行動と先行要因に関する実証研究 尾形2016)
 
注1 社会福祉の専門職研究の先駆者の秋元は、専門職性を考察することの困難な理由として、1)社会福祉は種々のレベルでの多様性がある。2)社会福祉における全体性に見る困難性(社会福祉の専門職は何をする人なのかという根本的な問いかけである)。3)生活の持つ総合性(経済的, 社会的,身体的,心理的諸問題をとりあげる) があいまいさを生み出す。そして4)社会福祉学における学問としての「定説」が欠如していることを挙げている。
 
注2  フレクスナー報告書1910の提示した6つ。第一に専門職は多大な個人的責任の下でなされる自由な知的操作で あること、第二に専門職が用いる知識は学術的科学的基盤をもっていること、第三に専門 職は実際的な目的をもっていること、第四に専門職は教育として伝達可能な技術があるこ と、第五に専門職は自らの組織(組合)をもっていること、第六に専門職はその活動が博 愛的動機に基づいていること、である。20世紀初頭の医学教育の質を批判したフレクスナー報告が契機となり、法学、工学、看護学、心理学、会計学、建築学等、あらゆる職業の専門職化と専門教育の質の向上を求める議論の中に生き続け、フレクスナー神話と呼ばれています。
 
注3  児童発達ガイドライン、従業員及び自らの知識・技術の向上 厚労省 2015
放課後デイサービスガイドライン 従業者等の知識・技術の向上 厚労省 2015
障害者相談支援ガイドライン 相談支援専門員に求められる資質 日本相談支援専門員協会 2013
介護支援専門員(ケアマネジャー)実務研修ガイドライン 介護支援専門員研修の最終目標(アウトカム)厚労省 2016
新人看護職員研修ガイドライン改訂版 臨床実践能力の構造 厚労省 2014
新人理学療法士研修ガイドライン 公益社団法人日本理学療法士協会 2020
 
注4  経済先進諸国で提唱されているOECD-DeSeCo,NCR,EU,ATC21S、P21、CCRが示す能力を①育成すべき資質・能力に包摂される個人の属性に着目したもの、②資質・能力を育てる関係性に着目したものの2つのタイプに分類した能力リスト

パート3

福祉職の学び

 
経験と学習
熟達の過程で経験は重要な要因ですが、経験を経れば自動的に専門的な知識や技能が身につくということではなく、その10年の間にいかによく考えられた練習を積んできたかが重要になります。エリクソンという学者はよく考えられた練習の条件として、1、課題が適度に難しく、2、実行した結果についてフィードバックがあること、3、何度も繰り返すことができ、誤りを修正する機会があることを挙げています。これは経験の長さよりも経験の質が熟達にとって重要な要因であることを示しています。
経験の質を含め学習に果たす経験の役割については、これまで数多くの研究がなされてきました。大きく言って二つの種類があります。ひとつはどのような経験によって人は学習するのかという経験特性に着目した研究、もう一つは経験からの学習に着目した研究です。
これまでの日本で行われた経験学習の実証研究によれば、松尾氏は時間軸の中で経験特性を考える必要性と職業の領域固有性があることを指摘し、これを明らかにするためキャリアと職種に着目した実証研究の一群があります。中原氏は経験学習の理論的欠点として社会的要因の影響が考慮されていないことを踏まえ、他者との双方向の会話、他者との出来事の意味づけの交換、他者との様々なフィードバックやコーチングなど他者からの影響に着目した実証研究群があり、これらを整理して職場学習論を提唱しています。
 
経験学習モデル
次に紹介したいのは、コルブの経験学習モデルです。コルブは経験学習理論に関する代表的な研究者であり、その理論は研究・実践の両面において広く参照されています。以下は松尾氏の「経験からの学習」*の引用です。
 
「彼は、学習を経験を変換することで知識を創り出すプロセスと定義した上で、4つのステップからなる経験学習モデルを提示しています。個人は、1、具体的な経験をし(具体的な経験)、2、その内容を振り返って内省することで(内省的な観察)3、そこから得られた教訓を抽象的な仮説や概念に落とし込み(抽象的な概念化)、4、それを新たな状況に適用する(積極的な実験)ことによって学習する」と説明しています。
*経験からの学習ープロフェッショナルへの成長プロセス 松尾2006 同文舘出版 
 
この理論の社会的背景として、90年代以降の企業の業績低迷によるコスト削減や効率化と派遣労働の規制緩和を契機に企業の雇用慣行が変化したことがあります。*2000年代以降は、経験学習理論はリーダーシップ開発における経験アプローチの議論と共振し、人材開発論の基礎理論として位置付けられます。
コルブはデューイの経験の概念から、経験を人と環境に働きかけることで起こる相互作用として、経験からの学び方を提唱します。ちなみに、コルブがいう経験内容に、いわゆるストレッチした経験は含まれていません。この由来は80年代のマネージャー教育研究においてマッコールらの上級管理職のインタビュー調査の結果です。彼らの飛躍的に成長した経験として、プロジェクトへの参加や悲惨な部門や業務の事態改善・再構築などリーダーシップを発揮しなければならい現場の業務経験が、マネジメントやリーダーシップ能力を開発・学習することを指摘しました。このことが90年代以降のリーダーシップ開発論で経験をレバレッジとした学習機会と能力開発の流れになりました。
 
内省には個人の行動・ふるまいを対象とした内省と,前提や状況や文脈,または,それらに作動している権力や社会的関係を対象とした内省の2つのレベルがあります (Reynolds 1998)後者について、個人の生活に根ざした「具体的経験」と,それをもとにした「対話」,そして対話によって導かれる 「批判的内省」と呼ばれるものがあります。この経験と内省を捉えたものに批判的マネジメント教育論があり、近年の学校教育で見るようになったアクションラーニングに影響を与えています。
 
近年の研究動向について、中原氏はこう説明しています、「経験の社会的な側面を捉えた流れが広がっている。経験や出来事の意味付けを行う際に、個人として独力で意味付けを引き受けるのではなく、他者との双方向の会話や、意味付けの交換、フィードバックなどによってそれを可能にする。むしろ内省の単位を個人レベルで考えるのでなく複数の人々で行う」**
*職場学習の探求ー企業人の成長を考える実証研究 中原淳他2012 生産性出版
** 経験学種の理論的系譜と研究動向 中原2013
 
この理論の批判も少なからずあります。その代表が次のようなものです。「コルブの経験学習モデルは包括的に一般的であるがゆえに多くの批判も受けています。最大の批判は個人的経験を重視するあまり、社会的な要因の影響を軽視しているという点です(keys2002)  ホルマンらによると、コルブのモデルは認知心理学を基にしているため、自己、思考、行為の社会的、歴史的、文化的な側面を見落とし学習を機械的に説明していると指摘しています。」* この他に男性と女性の性差を考慮していないことが挙げられます。
*経営学習論 人材育成を科学する 中原淳2012 東京大学出版会
 
 
おわりに
福祉業界は、かつて給料が低くて厳しい職場を指す3Kと言われていましたが、処遇改善や研修・資格取得制度などの政策によって改善しつつあります。コロナ禍には異業種から多くの参入者が流入しています。そうした流入を含め非常勤の女性が多く働く職場になっています。
福祉の仕事は対人サービス職の持つ2つの特徴があります。人を対象にするという領域と専門サービスという2つの領域の仕事が含まれています。サービスの質は生産と消費が一瞬かつ顧客との相互作用によって決まります。このため概念的知識を形式化して伝達することが難しくなります。熟達者の経験を見ると、経験からの学習には経験特性とキャリア段階に順番があります。経験と学習のメカニズムを説明する経験学習理論によれば、経験学習は4つのステップから成り、具体的な経験から内省によって法則や教訓を得て、新たな状況で実験することで学習すると説明しています。
中原氏によると女性と男性では、仕事の動機が異なり仕事観も違います。女性は男性に比べて普段の仕事や職場環境を重要視しています。具体的には、仕事自体のやりがいや上司や同僚との信頼関係といった点です。この点で職場の上司や同僚が与える影響は少なくありません。
こうしたことから推察されるのは、経験学習モデルの内省的観察において、女性の価値観を反映した基準や特有のパターンの存在と職場の他者の与える影響の可能性です。加えて、福祉職にも医療職で見られたような領域固有の経験特性とキャリア段階のセットが存在すると考えられます。
 
今回、それが本当にあるかどうか確かめられたわけではないですが、僕としての意味は、福祉職の教育研修を考える上で、現場で働いている個人の目線を中心に置くことにつながっていること。とりわけ女性のスタイルを知って理解する必要があった。
 
今のやり方にあるリスクは、長期的な人材育成がますます難しくなり安定した人材配置に結びつかなくなることです。その対応をシステムからではなく考えたかった。直感的に女性の働き方にスタイルがあると思った。
サービスの質は、現場の経験をもとにした個人単位の成長が伴っていて一朝一夕には図れない。だからこそ、どんな経験から、どのようにして学ぶのかを知り、その解決策を探ろうと考えました。次は職場でこのテーマでインタビューするのもいいかもしれない。嫌がられそうだな。
 
さて、ここで一旦終わりにします。世の中に多様な働き方が広がるなか、「ワークスタイルディギング」として、そもそも弊所に興味を持った就活者に向けて伝えようとしたコラムだった。内容的にどこがワークスタイルディギングなのかわからなくなった。書いているうちに興がのってしまいました。
 
今年も残りわずか。 というわけで少し早いですが、良いお年を。
働き方の自由さとは
ところで、上述の福祉産業の人材不足の要因を調査した花岡氏は、非正規雇用の短時間労働者は有配偶の女性で被扶養者の割合が高いとした上で、税制・社会保障制度による、いわゆる「103万円・130万円」の壁の存在が労働供給を妨げている可能性を示しています。いわゆる主婦パートの方の就業理由は、一般には自分の都合の良いを基準に自発的選択をしていると理解され、各種政府調査でもそう判断されてきました。そして、それは働き方の自由さと捉えられ、柔軟な働き方を促進する制度にもつながっています。よく聞くフレックス勤務や時短勤務やテレワーク、副業などです。
 
でもよく考えてみれば、自分に都合の良いとは何かという点で結構曖昧でした。岸上氏*は、非正規雇用を選択する女性にとって、 「自分の都合のよい」とはなにを示すのかを調査しました。その結果、「就業形態の選択理由」には,「時間」,「収入」,「両立」,「正社員になれない」,「正社員性の忌避」,「資格・その他」の6つの共通要素があるとします。個々の要素にはいくつかの内容が含まれています。たとえば、時間の要素には、 自分の都合,労働時間の長さ,通勤時間,就業調整の4つの内容が含まれます。また、収入の要素には、家計の補助,学費,自由に使えるお金,より多い収入という 4つの内容が含まれます。すると、純粋に個人の都合が良いというだけで、判断しているのではないことが見えてきます。それは家族の都合の良いにも言い換えることができる、と。つまり、そうした状況からみた自分にとって都合の良い働き方として、やむを得ず選択された場合があることを見落としていると、指摘します。
実際、収入をとってみても、日本の平均賃金はこの20年間ほぼ横ばいでした。むしろバブル崩壊の直後の1992年と比較すると年収で40万近く下がっています。今やアメリカの半分強、スイス、オランダ、カナダ、オーストラリアの6-7割で韓国にも抜かれています。*他にも女性の労働を調査した中原氏*は、こう言います。「子育て世代の男性の給与水準がかなり低下している。そんな状況下で一定の世帯年収を維持するために女性たちが働きに出ざるを得ない。他にも子育てや子供の教育費がかさむので、働くことをやむなく選択するという女性も増えている。」
*女性にとって「都合の良い働き方」とは何か 岸上真巳 2021
*現代新書サイト「なぜ日本の給与は上がらないのか?ー低所得ニッポンを分析ー」永濱 利廣 2021
*女性の視点で見直す人材育成 中原淳・トーマツグループ 2018年ダイヤモンド社
 
これまで世の中全体の感じは、女性はパートを自発的に選択しているのだから、問題ないじゃんと思っている。でも、自発的の意味が本当に本人だけを指しているのかはわかっていなかった。家庭の家事や育児や介護の大半を担う役割を負いながら働いていることを、そう言っているわけです。だから自由を自発という言葉だけで測れない、と。じゃあ、家庭を持たない女性は自由に働けているのか。まあ、自由というとちょっと複雑なので、せめて、現状について、次に見ていきたいと思います。
 
 
個人の努力だけに求めない
主婦パートに隠れて見えずらくなっているのが、未婚期間が長期化する中年未婚者の就業です。未婚者は一般的に配偶者や育児などの家族役割がなく時間や場所の制約が少なく、望むキャリアを追求しやすいと同時に単身で稼得役割を担います。長期的なキャリア形成によって就業と経済基盤の確保に努める必要があるとされます。*また、親子関係やキャリアの変化とった生活と就業の変遷が経済状態に影響を与えます。
大風氏*は、 現在就業する40代・50代の未婚男女を対象に、経済状態に深く関わる就業に着目して、キャリア形成、転職、能力開発の現状の確認とそれらと収入・資産との関わりを調査しました。その結果、 キャリア形成、転職、能力開発といった就業要因が資産形成とも関連する可能性を指摘しています。
以下引用です。
 
「キャリア形成について、現職の従業上の地位については初職の従業上の地位が関係するが、関連の仕方には男女の違いがある。
女性においても初職正社員の場合に現職も正社員になりやすいが、正社員としてとどまる割合は男性よりも低く、男性よりも転職回数が多い。初職がパート・アルバイトであると正社員になる確率は男性よりも低く、不利な就業状況が維持されやすい。 男女では正社員として継続して働ける確率に相違があり、そのことが男女間の収入の水準、ひいては保有資産にも影響を及ぼす可能性がある。」
(略)
「転職経験と収入・資産との関係については、男女ともに転職なし、つまり初職継続者は転職ありに比べて収入・資産とも高く、転職をするほど収入も資産も低下する。詳細を見ると、男性では3回以上の転職でより大きく収入も資産も低下し、女性では1回以上の転職でより大きく収入も資産も減少する。」
(略)
「能力開発については、男女間で実施主体に相違があり、男性は職場の制度を利用することが多く、女性は職場の制度利用とともに制度未利用での能力開発を行っている。特に女性においては、正社員のみならず契約・派遣においても能力開発が行われている。能力開発の規定要因において、職場の制度による能力開発は男女ともに規模の大きい企業への勤務や正社員を中心としたキャリア形成が影響している。」
 
さらに、現在の社会経済環境や企業の状況では正社員が増える未来は描きにくいとした上で、「そのような中で求められるのは、自律的なキャリア形成や能力開発であるが、それを個人の努力だけに求めるのではなく、個人をフォローする仕組みが重要である。特に非正社員は能力開発の機会が乏しくなりがちになるが、正社員への登用を含めて、非正規で働く人々に対してこそ能力開発の機会を提供しキャリア 形成を促す仕組みを検討する必要がある」と言っています。
*中年未婚者の就業と生活リスク 大風薫2021
 
未婚男女が働き続けるなかで、キャリア形成や転職や能力開発の点で違いがあること、それは経済的な影響を与えると。実際、転職の際に非正規や収入が低下しやすいのが男性よりも女性に多い。そうしたことを含めてキャリアのための能力開発が重要だが、職場の制度は規模の大きい会社や正社員を中心になっている。つまり、非正規で働く方々にこそ能力開発の機会が提供される仕組みが必要で、それを個人の努力だけに頼ってはいけない、そう言ってるわけです。なるほど、そうかと思います。理不尽で改めるべき現実です。ただ、なんというか、話が社会的な広がりに向いているので、僕としてはひとりの個人として女性の目線から見たものに、話を戻して深掘りしてみたいと思います。
 
 
ふだんの職場が大事
働く女性を調査した中原氏*によると、女性の仕事のモチベーションについて、こう言っています。 
「女性の21.6%がやりがい重視と答えたのに対して、同じ答えをした男性は16.1%と5.5ポイントの差が見られました。女性は職場でどのような仕事をするのかを働くモチベーションとしています。2番目に差が大きかったのは、見返りのある仕事をすることでしたが、これは対照的に男女が逆転しています。男性の14.8%が給与アップにつながるかどうかを重視する一方、そう考えている女性は11.3%であり両者の画ギャップは3.5ポイントでした。つまり、働くうえで女性が重視しているものに男女差があります。女性は昇進など外的報酬よりも、仕事そのものに魅力を感じる傾向がある。成果や評価されることや給料が上がることよりも、やりがいを重視する。また葛藤や衝突を避けたい気持ちも強い」
 
では、ここだったら今後も働き続けてもいいなと感じるためには、どんな職場づくりが必要なのか。中原氏の調査によると、産休育休の取得などの女性活躍制度は女性の現在の会社で働き続けたい気持ちに大きな影響を与えてはいません。
 
「産休、育休が取りやすかったり、復帰がしやすかったりするだけでは、女性の就業継続意欲は大きく変わりません。つまり、第一に多くの人々にとってふだんの職場環境が最も大事だということ。たとえば、慣習になっている非効率なやり方や、生産性が低いまま放置されている業務、制度がないかなど、職場の中の仕事を絶えず見直すことで、残業を見直す。会議一つとっても、余計な人数が集められたり、アジェンダが決まってなかったり、発言が不規則だったり、決めたはずのことが確認されず何度も蒸し返されたり、議事録がとられていないがゆえに、出戻りが生じたり。こうした物事を見直して、生産性を高める努力をしていくことが、女性をはじめ多様な働き方を求める人々に応える職場づくりにつながる。」
 
あと、こう続けています。
「スタッフ間の仲は良いのに、なぜか人材流出が止まらないという職場では、仕事面での信頼関係や健全なライバル意識、チーム意識をつくり出すコミュニケーションが不足している。職場を良くしていこうとする建設的な職場関係が人材を定着させる。カギは、仕事を楽しみながら、仲間と共にいい職場をつくっているというチーム実感にある。」
*前掲 中原淳・トーマツグループ 2018年ダイヤモンド社
 
僕はこの考えはかなり、実践的に考えて、納得できることなんじゃないか、と思うんですが、皆さん、どうでしょう。
 
普段の仕事の質を重視する点に関連して、介護職を調査した大和氏*は、正規職員を対象に教育研修による人材育成の要因が離職に与える影響を分析しています。その結果、資格取得支援、介護技術知識の講習、介護保険法制度についての講習など採用後の教育研修は離職率を低くしていました。一方、OJTについては上司以外の同僚などの横のつながりも、上司からの縦のつながりも離職率を増加させていました。経営理念、接遇マナー、介護技術知識の講習など採用時の研修は有意な影響をもっていませんでした。
*介護老人福祉施設における介護職員の離職要因 大和三重2013
 
女性が働く上で、普段の仕事といつもの職場は重要なことの一つです。従来の職場は、仕事の学びのほとんどを長期雇用を前提にしたOJTによって行ってきました。しかし、近年のジョブ型雇用と雇用の流動化の中で、限られた費用と時間の中で効率的に人材を育成することが求めれます。次に実務経験を通した仕事の能力向上という点について掘り下げてみたいと思います。

パート2

福祉の仕事と女性

 
一人前の対人サービス職
福祉の仕事は対人サービス職です。対人サービス職に共通する熟達過程について実証研究した笠井氏*によれば、対人サービス職とは、人が人に直接,無形のサービスを提供する職業です。サービスの提供にあたっては,提供時点におけるサービスの生産システムや外部環境,顧客の変化に適切に対応しながら,一定のサービスをその場で提供することが求められます。
逆に言えば、消費者はサービスを消費しない限り価値がわからず、生産者はモノのように予め生産して在庫することができません。ここに、サービスが消費者と生産者の共同で作られるとともに消費されるという特徴があります。それから,田尾(2001)を引いて,ヒュ ーマン・サービスには,人間を対象とすることに伴う技術と,サービスの専門領域における技術と知識が必要であるといっています。先の笠井氏の実証研究は、対人サービス職業の異なる4職域,小学校教諭・看護師・客室乗務員・保険営業をとりあげ,発達段階ごとに,共通する熟達経験があるかどうか検証しています。分析の結果、2つの共通性を示しています。
 
「ひとつは,新しい知識と信頼する熟達者や顧客など重要な関係者との積極的な相互作用が常に重要となる点です。生産と消費の同時性や顧客との協働といった特色のために、対人サービスの概念的知識が形式化して伝達することができないものであっても,学習が進み, 熟達が得られるのは,正解のない現場において、顧客にとってのよりよいサービスとは何かをわかろうとし,重要な関係者である熟達者や顧客は,どのようなサービスをこの場で求めていけばよいか,いけるのかをわかろうとし,だれもがサービスの創出に関与しようとする状態が対人サービス職の熟達の基盤となっている」
 
2つめの特徴は,熟達経験の段階を指摘しています。
 
「初級者の段階の2つの経験は,サービス現場の文脈のなかで手続き的知識を身につける経験である。一人前の段階になると,自らの取組みを相対化できる実践の観察や,異なる文脈での強制的な経験によって概念的知識が深まる契機が得られる。 指導者の段階になると,熟達経験は多様になる。 方向性をもって『つなぐ』経験や,現場を離れる、重大なライフイベント、といった現場と直接関係しない経験が,対人サービス職の概念的知識の構成に関与している。」
 
これは、サービス提供者と消費者の相互作用とキャリア段階ごとの経験について言ってるのだけど、前者について、人を対象とすることに伴う技術という点で、早坂氏を引用して言っていることに、僕はとても腹落した気分になりました。こうです。「関係とは、本来、共通性だけで成立するものではなく、違いも同時に見出されるものであり、2つ以上の事物や事象が個々の独自性を失わずに対峙することによって成立するものだ」 これ、言葉にすると当たり前のようだけど、仕事だけでなく普段の暮らしで壁に貼って何度も唱えたほうがいいくらいです。まあ、とにかく、対人サービスの半分は、人としてのあり方で成り立っているわけです。
後者のほうは、サービスの専門性に着目して専門職を対象にした研究が多くあり、いつくかの経験段階モデルが提唱されています。次に、この点について、看護師を対象にした調査を見ていきたいと思います。
*対人サービスの熟達過程の特徴 2007笠井恵美
 
 
学べるとき、学べないとき
熟達に向かって積み上げられる経験の時期という点について、松尾氏やその他の面々*は、時間的な流れの中で、経験がどのように知識獲得を促進しているのを明らかにするために、10年以上の経験を持つ熟達した看護師が、どのような経験を通してスキルや知識を獲得しているかについて調査を実施しました。
ここでいう経験とは、学習の基盤となるものとしてその重要性が学術的に認知されてきました。先の松尾氏らの本の受け売りですが、こうです。「学習に果たす経験の役割については、これまで数多くの研究がなされています。経験学習の理論的基礎を築いたデューイ(dewey1938)という学者は、経験とは個人と個人を取り巻く環境との相互作用と説明しています。
ただ、二人の人間が同じ経験をしたとしても経験の解釈次第で学習内容は異なり、その後の行動も変わるといえます(dixon1999)。この点についてムーン(Moon1999)は、経験は経験からの学習とは異なるものであるとして、個人に内在するある種の技能や能力が必要であると考えました。そして経験からの学習能力を提唱しました。
また、事実としての知識を『知識』と呼び、技術や技能のように言語化しにくい『やり方に関する知識』を『スキル』と呼びます。これは、認知心理学における『宣言的知識 (declarative knowledge)』と『手続的知識(procedural knowledge)』の区分に基づいています。たとえば、医学的な知識や、看護師はどうあるべきかという看護観 は『知識 』であり、注射の技術や患者とコミュニケーションする力は『スキル』と言えます。そして、学習とは、経験によって知識 ・スキルに変化が生じることです。」
 
話を元に戻すと、調査を分析した結果、看護師のキャリアの各段階で経験特性が異なることがわかりました。少し長くなりますが、詳細に見ていくことにします。
以下引用です。
 
「まず、初期(1~5年目)には、先輩からの指導によって看護の基礎技術を習得し、その上で難しい症状を持つ患者 ・家族の担当や研究や研修によって専門的看護技術を積み上げていました。このことは、キャリアの初期段階の学習は『技術的側面』に焦点が当てられていることを示しています。
次に、6~10年目のキャリア中期には、 患者との関わり(患者 ・家族 とのポジティブな関わり、患者の急変・死亡、難しい症状を持つ患者の担当)による学習が活性化しています。中期には『患者とのコミュニケーショ ン』『メンバーシップ』『リーダーシップ』といった対人能力を身につけています。
最後に、11年目以降のキャリア後期では、中期に引き続き患者との関わりの経験を中心にして、『患者とのコミュニケーション』『メンバーシップ』といった対人能力を学んでいます。ただし、中期と異なるのは、後期では 『患者とのネガティブな関係』を通してコミュニケーション能力を習得している点です。後期における看護師は、苦手な患者との関わりや、クレームや叱責を受けることで、笑顔の大切さや詳細なアセスメントの重要性について学習しています。これは中期における学びをベースとして、後期にはネガティブな事象を通してより深い患者とのコミュ ニケーションのスキルを習得する準備状態ができているためであると考えられます。
 
さらに後期の学習上の特徴は、『職場での指導的な役割』を通して 『自己管理』を学んでいるという点です。この時期の看護師は 『反省 ・振り返りの大切さ』 『自らの知識、技術、考え方を高める必要性』『学習意欲を持ち続けることの重要性』を学んでいます。
もう一つは、『患者 ・家族 とのネガティブな関わり』から学んでいた点 です。中期ではポジティブな関わりのみから学んでしました。これは、コミュニケーションの学習過程にも階層性が存在し、苦情等のネガティブな経験から学ぶためには、 技術的な準備状態が整っていなければならないことを示しています。」
 
先の松尾氏ほかの面々は、医療関連の他の職種にも同様の調査を実施した結果、保健師、薬剤部門、放射線技師、救急救命士、救急救命医師、公衆衛生医師に、学習内容は異なるものの,キャリア後期(11 年目以降)に学びが活発化する傾向が見られ、看護師と共通していることを明らかにしています。そのうえで医療の質向上や人材成長には長期的な視点が必要であることを言っています。
 *看護師の経験学習プロセス 松尾睦他 2008
 
ここでは2点です、サービスの専門性が高い看護師を対象にして、キャリア段階と経験の時期という点で、その関係を明らかにしました。それが他の医療職にも共通するキャリア発展の固有性であると言って、医療職の熟達のための経験段階モデルを10年で示しています。あとは、経験内容や特性といった点で、コミュニケーションをとって、同じ事柄でも経験段階によって、そこから学べる時と学べない時があると言っています。
積み重ねた効果はでてきたけど
 
処遇改善交付金が始まった2009年以降、平均賃金は少しずつ上昇してきました。賃金構造基本統計調査*を基にした計算では(僕の計算なので参考程度ですが)、介護職の平均月額は2010年の253千円から、2020年には300千円で約5万円増加しています。保育士は2010年は270千円から2020年は312千円でした。障害は2013年の258千円から2020年は304千円でした。** ただし障害は同調査で職種分類がなく、厚労省「障害福祉人材の処遇改善について」の資料です。ここにはホームヘルパーや保育士など複数職種が含まれています。それを加重平均して算出した障害福祉職の賃金は、宿泊・飲食サービス業平均よりも低いことのことです。***ともかく、2009年から2017年までの処遇改善加算が、4回の報酬改定で積み上げてきた合計が月額53千円相当だったとしています。****
2017年、新しい経済政策パッケージに基づく処遇改善について、の中で、介護サービス事業所における勤続年数10年以上の介護福祉士について月額平均8万円相当の処遇改善を行うことが示されます。 障害福祉人材についても、介護人材と同様の処遇改善を行うとされました。これを受けて2019年に特定処遇改善加算が創設され、経験・技能のある福祉・介護職員について、他産業と遜色ない賃金水準を目指して重点的に処遇改善を引き続き図っています。
*賃金構造基本統計調査(産業別・職種別の平均賃金(男女計)) 基本給、職務手当、精皆勤手当、家族手当が含まれているほか、時間外勤務、休日出勤等超過労働給与を含んだ、決まって支給する現金給与額に年間賞与額を12で割ったものを加算して算出
**障害福祉人材の処遇改善についてR4、障害福祉サービスにおける人材確保・処遇改善についてH26 厚労省 障害保健福祉部 障害福祉サービス等報酬改定検討チーム
***障害福祉人材の処遇改善について 第二回資料1 H30 厚労省 障害保健福祉部 障害福祉サービス等報酬改定検討チーム
****H29年の厚労省社会保障審議会介護給付費分科会の資料
 
離職率については、介護職の離職率は、2010年の17.8%から2020年は14.9%に低下しています。*保育士は2012年の10.2%から2018年は8.9%でした。障害は職種別データがありません。全産業平均が、2010年14.5%と2020年14.2%だったのと比較すると**、産業平均が0.3ポイント低下したのに対して、介護職2.9ポイントと保育1.2ポイント低下しています。
*R2介護労働実態調査 介護労働安定センター
**R2雇用動向調査 入職と離職の推移 厚労省
 
一方、有効求人倍率は、介護職が2.18倍から2020年は4倍に増加しています。*保育士では1.36倍から2.94倍**、障害は0.8倍から2.14倍増加しました***。独立行政法人労働政策研究研修機構によると全産業平均の有効求人倍率は、2010年が0.52倍で2020年は1.18倍でしたので、比較すると産業平均が0.66ポイント増加したのに対して、介護職は1.82ポイント、保育は1.58ポイント、障害は1.34ポイント増加しています。
*H31介護分野の現状等について 厚労省
**H27保育士等に関する資料 厚労省、R3保育士を取り巻く状況について 厚労省
***H22、H27、R2、福祉分野の求人動向 福祉人材センターバンク
 
利用者数の伸びを見ると、介護保険の利用者数は20年間で308%増えて567万人が利用する様になっています。*保育サービス申込者数は147%増の280万人**、障害サービス利用者数は529%増の127万人です。***
*R1介護保険事業状況報告(年報)ポイント 厚労省
**R3保育を取り巻く状況について 厚労省
***R3第24回障害福祉サービス等報酬改定検討チーム参考資料ほか 厚労省
 
需要に対して供給は、介護職員は当初約55万人でしたが、2020年には約4倍の211万人が従事していています。*保育士は2000年の32万人が181%増えて58万人**、障害は常勤換算従業者数が2000年の11万人が618%増えて68万人です***。厚労省によれば2025年の介護職員数について、需要253万人に対して供給が215万人で38万人が不足すると推計しています。
*R3第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について 厚労省
**R3保育を取り巻く状況について 厚労省
***社会福祉施設等調査の概況 厚労省
 
2000年代に人材不足の原因とされた低賃金と高い離職率は、産業平均と同水準まで改善されつつあります。しかし需給バランスを表す有効求人倍率は上昇の一途を辿っています。やはり根底にあるのは利用者数の伸びが急激で需要増に対して供給が追いつかない状況です。なので、労働市場は売り手市場が続き人材は流動化しています。厚労省の資料のどこかで見ましたが、平均勤続年数が全産業平均の半分弱という報告もありました。組織の方では離職防止から定着促進という言葉に変わってきています。
 
 
うーん、方針転換
こうしたなか2015年に厚労省から今後の人材確保の方針転換が示されることとなりました。
これまでの介護人材構造をまんじゅう型と表現し、意欲と能力の違いが問われず一様に量的、質的確保を目指してきたとして、今後の人材構造を富士山型に転換し、多様な人材層を類型化した上で、機能分化を進めるという方向性が打ち出されました。
具体的には、現行では専門性が不明確で役割が混在しており、将来展望とキャリアパスが見えずらいとして、人材参入の裾野を広げた上で、専門性を明確かつ高度化することでこれを高くする。そのなかで他産業を含めた幅広い人材の参入促進による流入入口の拡大が挙げられ、そのために能力や経験に応じた明確な職務内容と機能分化を進める方針が示されています。そこで段階的な教育研修の整備を求めています。また、同年の介護報酬改定においては、事業主が介護職員の資質向上や雇用管理の改善をより一層推進することによって、介護職員が積極的に資質向上やキャリア形成を行うことができる労働環境の整備を促しています。*
これとは別に、今後の社会保障制度のあり方についての議論では、2020年2月の第6回全世代型社会保障検討会議で、介護保険事業者の保険外の収入を増やす制度設計や全世代型社会保障改革におけるサスティナブルな介護提供体制の提案として、ビッグデータ活用によるエビデンスベースの介護報酬体系構築が必要という考えが示されています。
*介護職の専門性と介護労働をめぐる問題 石川由美2021
 
 
職場の7割は女性
歴史的にみると保母や介護職にみられるケアワーカーといった福祉の仕事は、女性向きの家事の延長、奉仕的といったアンペイドワークのイメージが強くもたれてきました。実際、福祉従業者の男女割合は3:7から2:8で推移していて、男性の働く人が少ないため職場全体で女性が多い状態になっています。*厚労省の「R2 働く女性の状況」によれば、女性従業者が多い産業は、医療福祉640万人で一番多く、次いで卸売業、小売業が518万人です。**福祉従業者の多くを女性が占めているのは、社会福祉士国家試験の男女別合格者数を見れば一目瞭然です。R2年の社会福祉士の国家試験合格者数の65%が女性です。女性と男性にが2倍の差があります。福祉養成校で学ぶ学生のほとんどは女性です。こうしたことの理由として考えられることは、福祉の職場は、常勤が少なく非常勤で働いている方が多いことや賃金が低いため生計維持者の男性が少ないことが挙げられてきました。***福祉業界は、パートタイムの女性の方が多く働く職場になっています。
*社会福祉職とジェンダーの問題 菊池信子1995
**R2 働く女性の状況 厚労省
***介護労働力不足はなぜ生じているのか 花岡智恵2015
 
 
 
ちょっと視点を変えて
福祉業界の人材確保は賃金と専門性の育成が焦点になりがちですが、実はそれだけではありません。幅広い人材の参入を促すために、年齢と経験不問という条件に加えて、経験年数を積むことで資格取得ができるキャリア環境や、時間の融通が利き易く短時間の勤務、これらは裏を返せば、参入が容易な上に、同業界や同業種で移動がしやすいということでもあります。さらに売り手市場で人材の流動化に拍車が掛かっています。この状況を組織の側から見た場合、長期的な人材育成が難しく安定した人材配置に結びつかなくなります。ここに今のやり方を続けていくことのリスクがあります。政策が担う単位は産業レベルなので、そのなかのひとつ一つの組織は自前で生存戦略を考える必要があります。どこで見たか忘れてしまいましたが、既に人材が定着する組織としない組織で二極化しつつあるとするような報告もされています。
実は、二極化が進むことと、ぴったりくる文脈があります。これまでの政策では、まずは多くの参入者をもってサービスの量的拡大を促進して、そのあとでサービスの評価設定をして、質的向上を図ることを通して、ある程度の事業者の選別に焦点が移っています。今の市場の大半は多数の小規模な事業者が占めている状況です。もし通常の市場なら、市場原理が働いて成熟化の過程で買収合併が始まって寡占化が起こり、産業内でバランスができあがっていくようですが、社会保障制度を担う福祉業界は規制産業です。市場の変化は政策が促します。ですから、今後のシナリオは、質的向上をテコに事業所の大規模化を進め、それを通して生産性向上を図ると予想されます。
 
 
以上の問題意識に基づいて、組織運営の持続可能性を高めるためにとるべき戦略はどのようなものでしょうか。福祉業界の人材確保は喫緊の課題なので、人的資源管理の点から人事評価や人事考課などが数多く検討されています。ここではそれとは違った角度から、組織の側からではなく、ひとりの個人とその内面を含めた視点で、福祉職の成長過程と女性の働き方について考えてみたいと思います。

はじめに

 
みなさん、こんにちは。僕は社会福祉施設の運営に携わっています。ここでは、福祉の仕事の特徴や成長について考えてみたいと思います。今回、特にお話してみたいのは、福祉業界はパート女性の方が多く働く職場なので、女性目線の仕事という点です。このコラムは3つのパートから成っています。パート1では、福祉産業の労働市場について、パート2では、対人サービス職の特徴について、パート3では、経験からの学びについて、これまでのいろいろな知見を手かがりに考えてみたいと思います。
 
ただ、寄り道してたら話が長くなってしまったので、先にショートカットをお伝えします。まず、これを読んでくれる方は当所に興味がある就活者が多いと思うので、「積み重ねた効果は出てきたけど」「一人前の対人サービス職」「学べるとき、学べないとき」を読めば、仕事のイメージが掴めるかも知れません。(いえ、本当かはわかりませよ)女性の方なら「働き方の自由さとは」「個人の努力だけに求めない」「普段の職場が大事」は、それわかる、ってなるでしょう。(他にもたくさんあるよって思うかも知れませんが)それから、要旨としては、だいたいこんな感じです。
 
福祉業界は、かつて給料が低くて厳しい職場を指す3Kと言われていましたが、処遇改善や研修・資格取得制度などの政策によって改善しつつあります。コロナ禍には異業種から多くの参入者が流入しています。そうした流入を含め非常勤の女性が多く働く職場になっています。福祉の仕事は対人サービス職の持つ2つの特徴があります。人を対象にするという領域と専門サービスという2つの領域の仕事が含まれています。サービスは生産と消費が同時で顧客との相互作用によって質が決まります。このため知識を形式化して伝達することが難しくなります。熟達者の経験を見ると、経験からの学習には経験特性とキャリア段階に順番があります。経験と学習のメカニズムを説明する経験学習理論によれば、経験学習は4つのステップから成り、具体的な経験から内省によって法則や教訓を得て、新たな状況で実験することで学習すると説明しています。調査によると女性と男性では、仕事の動機が異なり仕事観も違います。女性は男性に比べて普段の仕事や職場環境を重要視しています。具体的には、仕事自体のやりがいや上司や同僚との信頼関係といった点です。この点で職場の上司や同僚が与える影響は少なくありません。
こうしたことから推察されるのは、経験学習モデルの内省において、女性の価値観を反映した基準や特有のパターンの存在と職場の他者の与える影響の可能性です。加えて、医療職で見られたような領域固有の経験特性とキャリア発達段階のセットが、福祉職の成長プロセスにも存在すると考えられます。
 
 

パート1

福祉業界の労働市場

 
コロナ禍と対面サービス業
ニュースなんかで目にした方も多いと思いますが、コロナ禍は社会福祉施設の休業や短縮などの影響を与えた一方で、福祉業界全体では他業界の有効求人倍率が1倍を下回るなか、依然3倍という高い水準のまま旺盛な求人に未経験者の参入が見られました。2020年の世の中の失業者数は36万人だったのに対して、医療と福祉産業の正規雇用者は17万人増加しています。これは産業別で最大です。増加の最大の要因は正規雇用の女性が大幅に増えたことです。2021年5月分の医療福祉の就業者数は892万人で、このうちの女性の正規雇用者は374万人で前年同月よりも19万人増えています。*
ほかには、休業者数が急増したのが特徴的でした。2020年4月7日の第一次緊急事態宣言後に景気が急激に悪化し、失業者は低く抑えられていたものの、休業者数が急増し597万人に達し、就業者総数の9%、失業者数の3.4倍まで膨れ上がりました。**
*コロナ禍で日本の正規雇用33万人も増えた訳 東洋経済ONLINE
**コロナショックの被害は女性に集中 労働政策研究・研修機構サイト
 
通常の不況と異なり、ここでは男性よりも女性の雇用が大きな被害を受けました。特に子育て女性の労働時間と賃金が大きく落ち込んでいます。NHKとJILPTの共同調査によれば、女性の休業者比率は、男性の3倍上(5.3%)となり、18歳未満の子供のいる女性の休業比率は男性の7倍(7%)に達しました。女性の雇用が悪化した原因に、まず、飲食や宿泊、観光、娯楽などコロナの影響をもろに受けた対面サービス型産業に女性雇用者が多いことがあります。加えて、働く女性の6割弱が雇用調整の対象となりやすい非正規就業者であることが挙げられます。*
*コロナショックと女性の雇用危機 労働政策研究・研修機構 周燕飛2021
 
こうしたなか、再就職先を探す際、日数や時間といったことの融通が利きやすく、年齢や経験や資格が不問で多くの募集がある福祉業界はいい条件と言えます。さらに、政府の雇用対策として手厚い就業支援事業が実施されています。東京都福祉人材サービスによれば*、介護職員就業促進事業は、離職者等が介護施設等に雇用されながら介護職員初任者研修等を受講し資格を取得することを支援する事業ですが、昨年度年間実績の1・4倍に増えています。登録者のうち、仕事を失ったり、収入が減少するなど「新型コロナの影響を受けた」方は64・6%です。前職は「飲食・調理」が20・3%と最も多いと報告しています。
*コロナ禍における福祉人材センター −福祉業界へ新たな求職者を迎えるために−
 
実は、こうした動きは、過去に遡ると同様のことが起こっています。
2008年リーマンショック不況になると、製造業などで失業者が1年間に110万人以上増えました。その流入先として成長産業に位置付けられた福祉産業には緊急人材育成・就業支援基金や緊急雇用創出事業等など促進政策が実施されて、未経験者の参入が増加します。当時130万人の従事者に対して23万人が流入。ただ景気回復後には21万人が流出しています。*リーマンショック後の流出の原因として、低賃金と未経験者の受入れ体制の問題が指摘されました。具体的には入口では低賃金と受け入れ体制の問題、出口では他産業に比べて高い離職率と短い勤続年数という問題がありました。
*リーマンショック後の雇用対策の効果の検証 厚労省
 
 
2000年代の政策
ここで簡単に福祉職の労働市場と人材確保の政策を振り返っておきます。
ここでいう福祉職とは、文科省の生涯学習施策の調査*のなかで福祉人材の範囲で示されている、介護系、保育系、相談系、職業指導系の対人サービス職の常勤と非常勤職員を指すことにします。一般に福祉の分野は、その対象者を軸に高齢者、障害者、児童があります。職種を軸とすると介護系、相談援助系、保育系、保健医療系、栄養調理系、施設運営系などがあります。
こうした福祉サービスは社会保障制度の一部として、介護保険法や障害者総合支援法、児童福祉法等に規定されています。
具体的な職種で言えば、施設や病院のケアスタッフやホームヘルパーなどの介護系、高齢者福祉施設や障害者支援施設の生活相談員や生活支援員、職業指導員や就労支援員、病院の医療ソーシャルワーカーなどの相談援助系、保育所の保育士、医療保健系の看護師や理学療法士などです。これら対人サービス職のほか、施設運営に携わる栄養士や調理員、事務職や施設長、事業経営者などもいます。
*生涯学習施策の関する調査研究ー我が国の企業等における中堅人材のニーズに関する調査研究 文部科学省 H21
 
さて、福祉産業の人材不足は、2006年の就職氷河期の終結と同時期に顕在化しました。背景には2000年に始まった介護保険制度下の2003年と2006年の報酬改定で2回のマイナス改定が賃金を押し下げたことがあります。逆に他産業は氷河期終結で、有効求人倍率の上昇に伴って賃金が上がっていたので、福祉産業の賃金は相対的に低賃金になりました。報酬改定とは、福祉産業が他産業と違うところで、サービスの価格が政府によって決められます。この公定価格の変更は、報酬改定と呼ばれ3年に一度行うことになっています。氷河期終結期で現れたように価格調整が通常よりも遅くなる傾向があります。*
*介護労働力不足はなぜ生じているのか 花岡2015
 
2009年には、人材不足への対応政策として、処遇改善交付金が実施されます。これはそのあと2012年から福祉・介護職員処遇改善加算に受け継がれます。処遇改善加算とは、ざっくり言うと賃金原資を事業者へ支給する制度です。支給条件には研修やキャリアアップの機会などの人事教育制度の整備が含まれています。
続く2010 年には「キャリアパスに関する要件」が新設され、現在においてもその要件は引き継がれています。福祉・介護職員の能力・ 資格・経験等に応じた処遇を行うことを定め、キャリアパスを賃金に反映すること、それが難しい場合は、OJT、OFF-JT 等の研修機会を提供し、資質向上のための取組を行うこととするものです。
 
ここからは労働市場について触れますが、この時期、労働力不足の原因とされたのが高い離職率で、その要因に低い賃金がありました。2004年の離職率33.1%と、制度開始以来3割台が続きました。変化の契機は、2008年リーマンショックです。不況によって失業率が上昇したため、政府は雇用政策として失職者を福祉産業へ誘導します。新規参入者が介護業界に流入したことで、この時期に介護労働市場の需給バランスが一時的に改善し、有効求人倍率は1倍を下回ります。このタイミングで政府は2009年の報酬改定で初めてプラス改定を行い、さらに介護職の賃金上昇のため介護職員処遇改善交付金を時限措置として導入します。この時、介護産業の離職率17%、有効求人倍率1.33まで改善されます。 しかし2009年秋以降は経済状況が回復に向かい完全失業率が低下し始めると、流入した分とほぼ同じくらいの流出があり、労働力不足が深刻化していきます。

職場の先輩、後輩、同僚たちが集まり、成功も失敗も含め経験談が語られる、かすたねっとスタッフ座談会ポッドキャスト。日々の仕事の中では、なかなか気づかないけど、どんなことを感じ、どう思って仕事してるのか。もっと言うと、私たちは同じ職場に立っていても、どこに向かって何を見ながら仕事しているかは人それぞれで、それぞれの中に、それぞれの仕事像がつくられる。というと、なんか真面目な感じですが、実際は休憩がてらコーヒー片手に思いつくままの気軽なトーク。ただ普段よりちょっとだけ突っ込んだ話をしようよって感じ。お気に入りのプレイリストに飽きたらちょっと聞いてみて。

初回の今回は、「雑巾の絞り方から、シゴトの自信、そして過信まで。」話はあちこち行くけど、店長は支援のしかたを教えたがっているのではなく、ただ前提として知っておくべきことと、自分がこれまでどのような道のりを歩んできたのかを知ってもらおうとしている。それは普段話すことのない意外な一面を垣間見る機会ともなったようだ。もう一つは、利用者の方々と長くつき合ってきた店長だからこそ、個人情報をまとめたフェイスシートでは伝わらない、表情やしぐさといった非言語コミュニケーションから、五感を通じた豊な情報を得ている。そうした複雑な文脈と身体感覚は、その人の感覚、感性として人に粘着している。これはふとした会話からしか引き出すことができない。引き出すきっかけがあれば、その人を深く知ることができる。まあ確かに時代に合わなくなってきてるとこもあるけど絶滅しないで欲しい、そう思ってしまうのは僕だけでしょうか。

 

 


 

 

HERBAND…(ハーブティー)のオンラインショップ開設

HERBAND…は、かすたねっとの焼き菓子と一緒に楽しんでもらえるハーブティと焼き菓子のお店です。かすたねっと焼き菓子の姉妹店として、練馬区桜台に新たにオープンしました。

 

そしてこの度、HERBAND…のオンラインショップも開設しました。

HERBAND…のオリジナルブレンドハーブティは、iTQiコンテストで三つ星を取ったハーブティーブレンダーが監修しています。好みに合わせてお選びいただけるよう4種類の商品をご用意しました。ぜひ一度お試しください。
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